世界遺産「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群デジタルアーカイブス

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沖ノ島の奉献品

  • 金銅製杏葉付辻金具、金銅製辻金具、金銅製鉸具付杏葉/
名称 金銅製杏葉付辻金具、金銅製辻金具、金銅製鉸具付杏葉
種類
遺構名 伝沖ノ島出土
指定区分 国宝
時代(実時代) 6~7世紀
法量 〔右端の杏葉付辻金具〕長18.5cm 〔左下、右手の鈴具付杏葉〕長7.6cm
説明 旧沖津宮社務所保管品。金銅製杏葉付辻金具は、馬の尻部をまわる革帯(尻繋)が交差する部分につける飾り金具。心葉形杏葉の吊金具と辻金具の脚が連結して一体となったもの。杏葉の上方に装着された吊金具の裏板が伸びて、四脚を持った辻金具の一脚の下を通り抜けて、半球体の下まで達している。杏葉の吊金具も辻金具の各脚も、3個の鋲と1個の責金具で革帯に固定されるが、吊金具の裏板が通る部分は鋲を裏板に貫通させて固定を徹底している。
杏葉は、鉄地金銅張の台板に、立体的で美しい忍冬唐草文の薄い金銅の透彫板をのせて、その上に分厚い金銅縁板を重ねて、裏から4個の鋲で留めている。辻金具は、段を持つ半球体の頂部に十花弁の飾板を置き、その上に宝珠をいただく。飾板の花弁には毛彫りで細かい刻みを人れて花としての装飾性を高めている。
鉸具付杏葉は、革帯と連結するための吊金具が鉸具作りになった杏葉。おそらく馬の胸部や尻部にまわる革帯(胸繫・尻繫)に下げたとみられる。金銅製で、台板と、縁板と共作りの透彫板を8個の鋲で留める。中央の文様は、蕨手形と心葉形を上下に組み合わせた簡素で落ち着いたものとなっている。