世界遺産「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群デジタルアーカイブス

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沖ノ島の奉献品

  • 金銅・鉄製人形/
名称 金銅・鉄製人形
種類
遺構名 5号遺跡出土
指定区分 国宝
時代(実時代) 7世紀
法量 〔右端の完形品〕長7.8cm
説明 金銅板と鉄板を切り抜いて、直立した人の全身を正面からかたどったもの。肩、手、足を切込みで作り、顔面は目・鼻・口を刻んで表現している。人形は、藤原京期から制作、使用が始まり、現在、官衙関係遺跡を中心に全国的に分布するが、ほとんどは木製である。金属製人形の分布は、沖ノ島や藤原京、飛鳥池、平城京、平城宮などの国家祭祀に関わる遺跡に限られる。『皇太神宮儀式帳』には「鉄人形四十口」を、『止由気宮儀式帳』(9世紀初頭成立)には「金人形廿口」を祭事に用いたとあり、これらの人形の原型を沖ノ島出土例に見出すことができよう。沖ノ島からは、本品に先行して、岩陰祭祀段階の22号遺跡からも金銅製人形1点が出土している。これを含めて、沖ノ鳥へ奉献された金属製人形は、藤原京期から始まった都城における律令祭祀―祓行事に用いられた人形よりもさかのぼるものとされ、祓具ではなく、神の御加護を願ってささげられた最高級の祭具とみられている。