世界遺産「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群デジタルアーカイブス

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宗像地域の文化財

  • 装飾古墳とは、古墳の埋葬の主体である石棺や石室、横穴墓の内部に彫刻や彩色を施すもので、そのほとんどが九州に集中しています。5世紀には筑後・肥後地方が中心で、6世紀になると周辺地域にも広がります。宗像にもこの時代に影響が及んだと考えられます。/
名称 桜京古墳
種別
所在地 宗像市牟田尻2019 桜京古墳
形態
調査年
保存状況
出土遺物
時期
説明 玄界灘に注ぐ釣川下流域の丘陵上に所在する全長三十九mの前方後円墳です。昭和四十六年(一九七一)に宗像地域唯一の装飾古墳として発見され、五十・五十一年(一九七五・一九七六)の調査で詳細が明らかになりました。また、壁にあった寛文十三年(一六七三)五月の釘書から、江戸時代には開口していたらしく、石室の構造などから六世紀後半の築造と考えられています。
 主体部は、全長八・九mの複式の横穴式石室で、後室の奥壁に石屋形を設け、石棚を二本の柱状の石で支える特殊な構造をしています。奥壁は、沈線で縁どりし、赤・緑・白の顔料で塗りわけた三角形の連続文様で装飾されています。装飾古墳分布の中心から遠く離れた玄界灘沿岸部では数少ない装飾古墳であり、三角文様のみを描くという特徴があります。後室奥壁の石屋形は筑後川流域に、また、これに三角文彩色を施す装飾古墳は有明海沿岸に広がるもので、宗像との交流をうかがわせます。現在は壁画の保存・保護のために石室入り口は封鎖され、内部の見学はできません。
法量・規模・面積
所蔵
参考文献 宗像市 2009『宗像遺産 文化遺産編』
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