世界遺産「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群デジタルアーカイブス

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宗像地域の文化財

  • 『筑前國続風土記拾遺』では、本像が「梅谷観音」といわれる古像で、僧源信(恵心僧都、942〜1017年)が制作し、後冷泉院が院政を行っていた時代に、宗像大宮司氏高に命じて孔大寺に安置させたとしていますが、仏像の背中に刻まれた銘文は、追刻されていない限りその仏像とともにあるもので、平安時代に存命した源信がこの像を刻むことは不可能であり、銘文通り、鎌倉時代の作と考えられています。/
名称 梅谷寺千手観音立像
種別
所在地 宗像市村山田1329 梅谷寺観音堂
形態
調査年
保存状況
出土遺物
時期
説明 高さ百二十三・五cm、檜材の一木造で、頭部の高く伸びた肉髻には円形の金環状の宝冠を被り、頂に一面、周囲に上下二段で十面の化仏を配しています。体には裳という腰布、上半身には条帛という細い布を巻き、その上から天衣を垂らしています。胸の前に合唱する二本の本手と定印を結ぶ二手、脇に錫杖を持つ二手、背中に二十五本の脇手を持っています。これは、人々が流転輪廻する二十五の生死の世界すべての衆生を救う意味なのかもしれません。
 背面には、正安三年(一三〇一)卯月(四月)五日に、仏師でもあった僧定盛が宗像大宮司長氏の援助によって制作したことが刻まれており、裳や条帛、天衣などの写実的な表現と併せて、正安三年銘を裏付けるものと考えられます。
法量・規模・面積
所蔵
参考文献 宗像市 2009『宗像遺産 文化遺産編』
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