世界遺産「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群デジタルアーカイブス

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宗像地域の文化財

  • 平山大師堂の2体の平安仏は、その由緒や伝来は不明ですが、地方色の強い他の宗像地方の平安仏と異なり、この時代に中央で流行した技法や外見をはっきりと示す、貴重な仏像です。/
名称 平山の天部形立像
種別
所在地 宗像市吉留985 大師堂
形態
調査年
保存状況
出土遺物
時期
説明 阿弥陀如来立像とともに、平山の大師堂に安置されている仏像です。高さは九十三・八cm、檜材を用い、寄木造の技法でつくられています。
 像は前後二つに分かれ、さらに左右に分かれています。頭部を体部に挿しこむ割首にし、これに両肩の部分が加わり、大きく十の部分で仏像を形作っています。
 阿弥陀如来立像と同じく、木材には乾燥によるひび割れや湿気による歪みなどを防ぐために、内刳が施されています。また、白土を下地にして彩色されていました。
 像は、衣の上から皮の鎧をつけ、腰帯には獅子が噛みつくバックル状のものがついています。膝は獣面を表現した神将形に彫られ、忿怒の形相をとっていますが、全体としては丸みを持った緩やかな肉付けに仕上げられており、定朝様式を踏襲するものです。
 現在は、手には何も持っていませんが、左右の腕の形から考えると、右手には宝塔を、左手には戟(両側に枝の出ている武器)を持っていたと思われ、北方の守護神である兜跋毘沙門天像、あるいは四天王のうちの多聞天像と推測できます。ただ、本像のような裸足の像は、毘沙門天像や四天王像の中では珍しい例です。
法量・規模・面積
所蔵
参考文献 宗像市 2009『宗像遺産 文化遺産編』
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