世界遺産「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群デジタルアーカイブス

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宗像地域の文化財

  • 大日如来は、悟りを開いた阿弥陀や釈迦の容姿とは異なり、頭には立派な宝冠を被り、胸には瓔珞というきらびやかな胸飾りを懸け、腕には臂釧と腕釧という腕輪をはめた豪華な形姿につくられます。これは、最高仏として他の如来との区別を図ったものとされます。/
名称 大日堂木造大日如来像
種別
所在地 宗像市武丸1398-1
形態
調査年
保存状況
出土遺物
時期
説明 「大日如来」は、密教の教理では仏教界の最高仏であるとされます。古代インドの言葉であるサンスクリット語では「ヴァイローチャナ(太陽の子)」といい、太陽の輝きを超越した最高の仏とされるにふさわしい呼び名といえます。
 長福寺観音堂(長宝寺)に安置されている本像は、『福岡県地理全誌』によれば、「浄禅寺址浄禅寺。大日あり」と記され、上善寺地区にある大日堂に安置されていたものですが、発見当時は御堂が崩壊寸前の状態であり、保護のために一時的にこの観音堂に移された「客仏」です。腹の前で「法界定印」と呼ばれる印を結び、最高の悟りの境地にいることをあらわしている胎蔵界の大日如来で、檜材を用いた一木造でつくられています。藤原時代の様式を伝える力強く古風な彫りは、引き締まった顔立ちとともに、宗像地方に伝わる平安仏のなかで、もっともよく原状を残す、美しい仏像です。像高六十一・七cm。
法量・規模・面積
所蔵
参考文献 宗像市 2009『宗像遺産 文化遺産編』
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