世界遺産「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群デジタルアーカイブス

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宗像地域の文化財

  • 「三輪身」は、仏教世界の全てを包み込むものとされ、中心と東西南北の全てにそれぞれの仏が配されています。中央には法界体性智を成就した大日如来と金剛波羅蜜多菩薩と不動明王、東に大円鏡智を成就した阿 如来と金剛手菩薩と降三世明王、西に妙観察智を成就した無量寿如来と金剛利菩薩と大威徳明王、南に平等性智を成就した宝生如来と金剛宝菩薩と軍茶利明王、北に成所作智を成就した不空成就如来と金剛薬叉菩薩と金剛夜叉明王/
名称 八所神社木造大威徳明王像
種別
所在地 宗像市吉留3122 長宝寺観音堂
形態
調査年
保存状況
出土遺物
時期
説明 弘法大師空海によって開かれた真言密教では、バラモン教(後のヒンズー教)の神々を仏教の尊像として取り入れ、明王部として位置づけました。また、これにより、如来である自性輪身、菩薩である正法輪身、明王である教令輪身は、本来一つの存在であるとする「三輪身の教え」を説いています。
 大威徳明王にかかわる三輪身は、西方を治める阿弥陀如来が、それと同一視される文殊菩薩として仏法を説き、従わないものがあれば、大威徳明王に化身し、その威力によって善の教えに導くというものです。大威徳明王像が、武器を持ち、忿怒の形相と六面、六臂、六足という人離れした容姿で表されるのはこのためです。楠の一材で造られた本像は、六つの顔と八本の手(通常は六本)と六本の足を持ち、恐ろしい形相で水牛に乗っています。鎌倉時代末期の像容を示し、今なお豊かな量感をたたえています。総高百二十・二cm。
法量・規模・面積
所蔵
参考文献 宗像市 2009『宗像遺産 文化遺産編』
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