世界遺産「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群デジタルアーカイブス

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宗像地域の文化財

  • 不動明王は、平安時代の初め、弘法大師空海によって日本へ伝えられたもので、「大日如来が、世の中の一切の悪を降伏するために、恐ろしい怒りの形相に火焔を背負う姿となって化身したもの」とされています。背に負う火焔で人々の心の汚れを焚き浄め、右手に持つ宝剣で魔を祓い、左の索(縄)で人々を苦難から救い上げます。強力な法力を持ち、人々が命にかかわるような危険にさらされたときに、その力を発揮するといわれます。/
名称 八所神社木造不動明王像
種別
所在地 宗像市吉留3122 長宝寺観音堂
形態
調査年
保存状況
出土遺物
時期
説明 長福寺観音堂(長宝寺)の脇壇に安置されている不動明王像です。
 結跏趺坐した膝部分と両腕を失っていますが、二mを超す巨大な坐像です。釈迦の身の丈の二倍の一丈六尺で造立される、いわゆる「丈六仏」の大きさにつくられたと思われます。
 頭も体も楠の一材で彫出された堂々たる姿で、表面が風化しているため細部の彫りを明らかにするのは難しいのですが、頭には髪を束ねて左肩に流す頂髪のあとが認められ、顔は大きな眉と眼を持ち、右下の歯で右上の唇を噛み、左下の唇をやや外に突き出すような表情をつくる忿怒の相は、不動明王像の特徴をあらわしています。平安時代後期の穏やかな作風を示す典型的な仏像として貴重です。総高二百三・五cm。
法量・規模・面積
所蔵
参考文献 宗像市 2009『宗像遺産 文化遺産編』
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