世界遺産「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群デジタルアーカイブス

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宗像地域の文化財

  • この世の終わりを説く「末法思想」では、平安時代の永承6年(1052)が末法1年目にあたるとされました。このころ、自然災害や飢饉、動乱などが
名称 稲元区滑石製経筒
種別
所在地 宗像市田島2331 宗像大社神宝館
形態
調査年
保存状況
出土遺物
時期
説明 宗像市稲元にある稲元八幡社付近から明治年間に発掘されたもので、地下約一mから出土し、周囲を木炭で充填されていたといわれます。滑石製で、円柱形の筒身と方形の屋根形の蓋、宝珠の三部が組み合わされ、総高四十四cm、筒身口径十一・四cm。筒身を巡って仁平四年(一一五四)九月二十三日などの銘文が釘書きされています。
 経筒は、経典を納める銅製や石製の容器で、築造の背景には平安時代に広く流布した「末法思想」があります。分布は岩手県から鹿児島県まで及びますが、 近畿と並んで北部九州に集中しています。
 仏教の教えに救いを求め、弥勒菩薩出現の日まで経典を残そうと願った稲元の人々の信仰心の深さを示す本品は、宗像地域における仏教思想受容の一端を示す貴重な遺物といえます。
法量・規模・面積
所蔵
参考文献 宗像市 2009『宗像遺産 文化遺産編』
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