世界遺産「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群デジタルアーカイブス

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宗像地域の文化財

  • 納経の背景には、経筒の製作から経文の筆経、経費や資材調達などに奔走した勧進僧の姿があります。勧進とは、人々を勧めて仏道に入らせ、善根・功徳を積ませることです。後には寺院や堂、仏像、梵鐘、橋などを造るための寄付を募ることを目的としました。/
名称 鎮国寺銅製経筒
種別
所在地 宗像市吉田966 鎮国寺
形態
調査年
保存状況
出土遺物
時期
説明 銅で鋳造された、高さ二十九・七cmほどのお経を納めた筒です。経筒は、蓋の部分と筒の部分(筒身)に分けられますが、これは筒身の下部が破損して失われています。
 筒身には、口に近い上端部分、中ほど、底に近い下端部分の三カ所に区切りとなる節があります。このうち、中ほどの節によって上下に二分された各区画には銘文が刻まれています。
 銘文には、「赤銅の塔一基を鋳造し奉る。如法経一部八巻を納め奉る。鎮西筑前国宗像宮、字田嶋村住人、擬大宮司藤原貞包、同藤原氏、保延四年十月二十日、勧進僧善慶」と刻まれています。このことから、現在の宗像市田島地区あたりに住んでいた藤原貞包が、保延四年(一一三八)に一族の行く末の安寧を祈願し、経筒一基に『如法経』を納めたことが分かります。また、納経に際しては勧進僧善慶という人物が一連の計画を立て、尽力したことがうかがえます。
法量・規模・面積
所蔵
参考文献 宗像市 2009『宗像遺産 文化遺産編』
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