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文書群名 宗像第一宮置札
文書番号 2
文書名 第一宮御宝殿御棟上置札
和暦 天正六年六月一日
西暦 1578年 6月 1日
本文    置札
第一宮御宝殿御棟上之事
  天正五年〈丁丑〉十一月廿日〈申剋〉
 正三位行中納言執印大宮司宗像朝臣氏貞様
   権大宮司塩寿殿様
   大方殿様
   女中様
   御料人様
     御桟敷御出仕也。
一御棟木掛物之事
 一挟物   五〈厚板〉   一青銅   五千疋
 一紺布   五拾端     一白布   五十端
 一苧    百目      一懸魚   弐懸
 一弓弦   絹弐疋     一御幣絹  一疋
 一柱巻絹〈柱別在之〉    一瓶子   五具
 一大瓶   一双      一餅    弐盆
 一竹折敷  四拾枚     一日形月形 十弐
 一沓形   拾弐枚     一木銚子提 一具
 一帯    三長三筋    一善縄〈左右〉
 一柱本俵  卅四俵内〈塩/三俵〉
一御祝儀式之事
 一鞍置馬 一疋〈法花栗毛/無印〉       〈博多津〉大工日高隠岐守定吉〈給之。〉
                引手           許斐安芸守氏鏡
                             弥富又六守保
                右御馬渡手  〈御厩別当〉石松新三郎貞景
                             先生七郎左衛門
                御太刀一腰〈金幅〔覆〕輪〉太〔大〕和治部丞貞秀
                御広蓋〈御小袖/一重〉  占部越後守賢安
 一裸馬  一疋                     一引頭 日高与三左衛門尉
                引手           太〔大〕和治部丞貞秀
 一裸馬  一疋                     二引頭 河野藤左衛門尉
                引手           占部越後守賢安
 一裸馬  一疋                     鍛冶大工 稲光助三郎 
                引手           吉田内蔵大夫貞棟
     右御社例之分也
一対大工別〈而〉御礼儀之事
 大方殿様〈ヨリ〉   十帖一巻             御使者  吉田河内守守道
 女中様 〈ヨリ〉   十帖一巻             御使者  同人
 御曹子〔司〕様〈ヨリ〉一腰五百疋            御使者  吉田伯耆守重致
 一腰百疋   深田右衛門大夫氏実            一腰百疋 許斐左馬頭氏備
 一腰百疋   占部越後守賢安              一腰百疋 吉田伯耆守重致
 一腰百疋   吉田飛弾〔騨〕守尚時           一腰百疋 石松対馬守尚宗
 一腰百疋   小樋対馬守秀盛              一腰百疋 高向中務卿良秀
 一腰百疋   豊福式部卿秀賀              一六百疋 社司官中
一於御木屋御祝之事
 一右御役者衆              三献、竹折敷弐枚宛〈御振舞無之〉。
 一奉行六人、番匠廿六人、修理祢宜一人  三献、竹折敷弐枚宛。
                      宮仕、御中間衆勤之。
 一奉行三人、鍛冶弐人          三献、竹折敷弐枚宛。
                      宮仕、御雑色衆勤之。
 一御引手〈出〉物   大工〈ニ〉十帖百疋、鍛冶二人、引頭二人、
            小工廿三人、修理祢宜一人、修理奉行、
            十帖三百疋宛。
 一右衆御振舞 五三引物弐、御点心、羊羹・饅頭・索麺。
一材木導初之事
 天正四年〈丙子〉十月十三日、鎮国寺風呂谷楠〈ヨリ〉始之。唐人四頭・八人、并横切江州之住人平井又三郎相添之、御造畢迄調之。
一御𨨞立之事
 天正五年〈丁丑〉二月二日〈辰尅〉 於御神前
 大工〈并〉一引頭、二引頭、三引頭代、奉行六人相共〈ニ〉勤之。
 右御祝儀 大工〈ニ〉一腰三百疋、引頭三人〈ニ〉百疋宛。
一御木屋数之事
 九間四間弐、番匠木屋      四間弐間壱、鍛冶木屋
 四間三間壱、贄殿        三間弐間一、大工休所
 四間三間壱、御米倉       三間弐間一、瓦師木屋
 四間弐間壱、〈絵師/塗師〉木屋 白壁師者、本木屋〈ニ〉在之。
一材木調之事。
 本柱〈并〉小道具少々、於三笠郡・早良郡・那珂郡〈并〉肥州松浦大工調之。此外或御領内見懸採用之、或不謂他領遠近所望之。
一厚・薄板〈并〉柾、彼是三千枚、丁長四万数、於石州益田調之。御使遠藤内蔵丞。
一御神殿土壇之事
(以下、裏面)
 天正参年〈乙亥〉三月五日土執。在所任御鬮、自御池運之。人夫、御被官老若〈并〉寺社給百、被催之。而数年不生之蓮、両年令馳過、御造畢之刻、右御池〈ニ〉出生。誠奇妙之由〈云云〉。
一築石之事
 大島岩瀬浦〈ヨリ〉取之。送船〈并〉人夫、同島〈ヨリ〉勤之。〈付〉、籠石州ノ口〈ヨリ〉執之。送船〈并〉人夫、鐘崎給百、浦〈ヨリ〉勤之。
一柱揃御祝之事
 柱本俵、卅四俵内〈塩三俵/加之〉。瓶子弐具、竹折敷卅四枚、一腰三百疋、
 大工〈ニ〉遣之。
一棟瓦師之事
 博多津中道場僧金師、小工弐人、御祝〈銀子百目、一面大工〈ニ〉遣之。/十文目、帯一長宛、小工〈ニ〉遣之。〉
一絵師之事
 博多津感定入道、小工弐人、御祝右同。
一塗師之事
 京都之住関新左衛門尉〈万細工〈ト〉云之。/今博多津〈ニ〉居住〉、小工五人、日数五百四十人
 〈但、細工人手加/数多在之〉。御祝右同。奉行、社司九人。
一白壁師之事
 筥崎、日高左衛門大夫。小工四人、日数四百五十人〈御祝右同。/奉行、大島司官四人〉。
一彫物之事
    御家人〈温科吉左衛門尉、石津兵庫允、/吉武右馬允、藤源五郎〉、郡司間十郎。
一番匠日数之事
 大工・小工廿六人、七千四百五十六人〈但、諸細工手加除之〉。
一鍛冶日数之事
 大工・小工弐人、千余人〈但、大小釘調〈ハ〉御領中鍛冶御用次第/勤之。此外於博多津買得之〉。
一榑誘之事
 蘆屋津巧桶結七人、筥崎巧六人、以上以十三人調之。
一御金物之事
 於防州山口調之。使市津惣右衛門尉。
一御木屋取上之事
 任社例、深田村五人、上殿村五人、〈付〉修理定使、祢宜藤五郎。
一浦巡人夫之事
 任社例、小開、湊、今空閑・勝浦浜共〈ニ〉三ヶ浦〈ハ〉三人三日宛勤之。津屋崎浦〈ハ〉五人五日宛勤之〈付、木屋御菜、御用次第、右〈ノ〉/浦〈ヨリ〉調之〉。
一木屋贄殿加用之事
    御雑色又五郎、源左衛門、助六。〈付〉汁所御雑色小二郎、
    河東・河西散仕九郎右衛門・藤左衛門、両人勤之。
一下使 山田次郎左衛門尉・松井民部丞・木原新右衛門尉・薄弥右衛門尉・
    白木治部丞・山崎玄蕃允・嶺市允・堀右京進・
    安部平三郎・塩川市助・桜井新左衛門尉・神屋源左衛門尉・
    峯〔嶺〕内蔵允・御中間包左衛門・同助左衛門・同小三郎。
一定夫 六人。諸郷〈ヨリ〉勤之。政所調也。
一御領中人夫之事
 〈一手〉一上八村郷、田野郷、池田郷〈浦共〉、〈一手〉一遠賀庄〈蘆屋津共〉、〈一手〉一怒山郷、勝浦村、在自郷、
 〈一手〉一唐防〈津屋崎〉、宮地郷、〈一手〉一大島、泊、白浜、〈一手〉一内殿郷、本木郷、村山田郷、
 東郷、河西郷、神興村、〈一手〉一野坂庄、大穂村、曲村、嶺村、久原村、
 〈一手〉一赤馬庄、〔〈一手〉〕一山田村、須恵村、平等寺村、稲元村、河東郷、〈一手〉一山口郷、
 宮永村、稲光村、在木村、室木村、宮田郷、長江津留、以上十手之人夫数、一巡〈ニ〉四千余人、十一巡勤之。猶以不足分寺社給百、壱町別一人宛、両度所勤之分、弐千五百余人。右両分縮テ四万六千五百余人。此外海上〈ヨリ〉材木運送人夫依無尽斯不記之。  
一御造営中木屋肴調之事  蘆屋津、波津浦〈大田浦加之〉。
 鐘崎〈給主浦共〉、湊、今空閑・勝浦浜、津屋崎、
 大島浦、二日〈ニ〉一度送之。付、大島、上泊、白浜、搗布勤之。
一塩之事  勝浦村〈ヨリ〉御用次第勤之。
一鍛冶炭調之事  諸郷御百姓別五俵宛〈一度〉、弐俵宛〈一度〉。
  以上千四百余俵、猶以不足。買得分七百余俵。
一竹釘之事  諸寺家〈ヨリ〉所勤之。
一鉄  五十束 〈但、所々誂物鉄除之〉。
一御宝殿付道竹木之事  御領中見懸採用之〈付、縄萱〈ハ〉/政所調也〉。
一漆卅盃 〈万細工調之〉。一朱六貫目余〈博多津/徳永又右衛門調之〉。 一膠三荷余 〈万細工調之〉。
一牛〔胡〕粉五荷 〈同人調之〉。 一桐油卅盃 〈同人調之〉。 一白灰十駄 〈白壁師調之〉。
一杉原廿束 〈白壁用之〉。 一油廿盃 〈同人調之〉。 一餅粉ノ用米三石〈同用之/奉行調之〉。
一番匠作料員数之事  大工一日〈ニ〉三文目宛、作所小工壱文目宛、
          御領鍛冶・番匠、不謂扶持・無足、一日〈ニ〉米六升宛。
一硯水之事
 三殿様  鎮国寺 深田右衛門大夫 許斐左馬頭 吉田伯耆守 吉田河内守
      吉田次郎左衛門尉 吉田飛弾〔騨〕守 石松対馬守 小樋対馬守 高向中務卿
      豊福式部卿 社司官中 下官中 大工一引頭〈此外所々〈ヨリ〉送物/等歴々在之〉。
一米銀之事  唐料単〈ニ〉縮之。
   九千百参貫伍百拾文
一御段米之事  五升通、弐升四合通、壱升通、三ヶ度也。船別両度、丸木一艘〈ニ〉三文宛、壱文五分宛。但大船〈ハ〉帆別見懸〈ニ〉定之。此外諸浦大小之寄物、諸人寄進物等、諸職人、御懸役〈并〉御闕所之地臓〔贓〕物以下加之。
    右置札如件。
 天正六年〈戊寅〉六月朔日  〈修理奉行〉豊福式部卿秀賀(花押)
               〈奉行〉  吉田飛弾〔騨〕守尚時(花押)
               〈奉行〉  石松対馬守尚宗(花押)
               〈奉行〉  小樋対馬守秀盛(花押)
               〈奉行〉  高向中務卿良秀(花押)
               〈社奉行〉 許斐安芸守氏鏡(花押)
               〈筆者〉  実相院益心(花押)
読み下し    置札
第一宮御宝殿御棟上の事
  天正五年〈丁丑〉十一月廿日〈申剋〉
 正三位行中納言執印大宮司宗像朝臣氏貞様
   権大宮司塩寿殿様
   大方殿様
   女中様
   御料人様
     御桟敷御出仕なり。
一御棟木掛物の事
 一挟物   五〈厚板〉   一青銅   五千疋
 一紺布   五拾端     一白布   五十端
 一苧    百目      一懸魚   弐懸
 一弓弦   絹弐疋     一御幣絹  一疋
 一柱巻絹〈柱別これ在り〉    一瓶子   五具
 一大瓶   一双      一餅    弐盆
 一竹折敷  四拾枚     一日形月形 十弐
 一沓形   拾弐枚     一木銚子提 一具
 一帯    三長三筋    一善縄〈左右〉
 一柱本俵  卅四俵内〈塩/三俵〉
一御祝儀式の事
 一鞍置馬 一疋〈法花栗毛/無印〉    〈博多津〉大工日高隠岐守定吉〈之を給う。〉
                  引手      許斐安芸守氏鏡 
                          弥富又六守保
               右御馬渡手〈御厩別当〉石松新三郎貞景
                          先生七郎左衛門
               御太刀一腰〈金覆輪〉 大和治部丞貞秀
               御広蓋〈御小袖/一重〉占部越後守賢安
 一裸馬  一疋                  一引頭 日高与三左衛門尉
                  引手      大和治部丞貞秀
 一裸馬  一疋                  二引頭 河野藤左衛門尉
                  引手      占部越後守賢安
 一裸馬  一疋                  鍛冶大工 稲光助三郎 
                  引手      吉田内蔵大夫貞棟
     右御社例の分なり
一対大工別て御礼儀の事
 大方殿様より   十帖一巻      御使者  吉田河内守守道
 女中様より    十帖一巻      御使者  同人
 御曹司様より   一腰五百疋     御使者  吉田伯耆守重致
 一腰百疋   深田右衛門大夫氏実   一腰百疋 許斐左馬頭氏備
 一腰百疋   占部越後守賢安     一腰百疋 吉田伯耆守重致
 一腰百疋   吉田飛騨守尚時     一腰百疋 石松対馬守尚宗
 一腰百疋   小樋対馬守秀盛     一腰百疋 高向中務卿良秀
 一腰百疋   豊福式部卿秀賀     一六百疋    社司官中
一於御木屋御祝の事
 一右御役者衆              三献、竹折敷弐枚宛〈御振舞これ無し〉。
 一奉行六人、番匠廿六人、修理祢宜一人  三献、竹折敷弐枚宛。
                      宮仕、御中間衆之を勤む。
 一奉行三人、鍛冶弐人          三献、竹折敷弐枚宛。
                      宮仕、御雑色衆之を勤む。
 一御引出物 大工に十帖百疋、鍛冶二人、引頭二人、
       小工廿三人、修理祢宜一人、修理奉行、
       十帖三百疋
 一右衆御振舞 五三引物弐、御点心、羊羹・饅頭・索麺。
一材木導初の事
 天正四年〈丙子〉十月十三日、鎮国寺風呂谷楠より之を始む。唐人四頭・八人、并に横切江州の住人平井又三郎之に相添へ、御造り畢る迄これを調う。
一御𨨞立の事
 天正五年〈丁丑〉二月二日〈辰尅〉 於御神前
 大工并に一引頭、二引頭、三引頭代、奉行六人相共にこれに勤む。
 右御祝儀  大工に一腰三百疋、引頭三人に百疋宛。
一御木屋数の事
 九間四間弐、番匠木屋  四間弐間壱、鍛冶木屋
 四間三間壱、贄殿    三間弐間一、大工休所
 四間三間壱、御米倉   三間弐間一、瓦師木屋
 四間弐間壱、〈絵師塗師〉木屋 白壁師者、本木屋にこれ在り。
一材木調之事。
 本柱并に小道具少々、三笠郡・早良郡・那珂郡并に肥州松浦に於いて大工之を調う。此外或御領内見懸之を採用し、或は他領遠近を謂はず之を所望す。
一厚・薄板并に柾、彼是三千枚、丁長四万数、石州益田に於いて之を調う。御使遠藤内蔵丞。
一御神殿土壇の事
(以下、裏面)
 天正参年〈乙亥〉三月五日土執。在所御鬮に任せ、御池よりこれを運ぶ。人夫、御被官老若并に寺社給百、これを催さる。而に数年生ぜざるの蓮、両年馳過せしめ、御造り畢るの刻、右御池に出生す。誠に奇妙の由と云云。
一築石の事
 大島岩瀬浦より之を取る。送船并に人夫、同島より之を勤む。付けたり、籠石州の口よりこれを執る。送船并に人夫、鐘崎給百、浦よりこれを勤む。
一柱揃御祝の事
 柱本俵、卅四俵内〈塩三俵/これを加ふ〉。瓶子弐具、竹折敷卅四枚、一腰三百疋、大工にこれを遣る。
一棟瓦師の事
 博多津中道場僧金師、小工弐人、御祝〈銀子百目、一面大工にこれを遣る。/十文目、帯一長宛、小工にこれを遣る〉。
一絵師の事
 博多津感定入道、小工弐人、御祝右に同じ。
一塗師の事
 京都の住関新左衛門尉〈万細工と云之。/今博多津に居住す〉、小工五人、日数五百四十人〈但、細工人手加/数多これ在り〉。御祝右に同じ。奉行、社司九人。
一白壁師の事
 筥崎、日高左衛門大夫。小工四人、日数四百五十人〈御祝右に同じ。/奉行、大島司官四人〉。
一彫物の事
    御家人〈温科吉左衛門尉(慰重)、石津兵庫允、/吉武右馬允、藤源五郎〉、郡司間十郎。
一番匠日数の事
 大工・小工廿六人、七千四百五十六人〈但し、諸細工手加これを除く〉。
一鍛冶日数の事
 大工・小工弐人、千余人〈但、大小釘調は御領中鍛冶御用次第/これを勤む。此外博多津に於いてこれを買得す〉。
一榑誘の事
 蘆屋津巧桶結七人、筥崎巧六人、以上十三人を以てこれを調う。
一御金物の事
 防州山口に於いてこれを調う。使市津惣右衛門尉。
一御木屋取上の事
 社例に任せ、深田村五人、上殿村五人、〈付けたり〉修理定使、祢宜藤五郎。
一浦巡人夫の事
 社例に任せ、小開、湊、今空閑・勝浦浜共に三ヶ浦は三人三日宛これを勤む。津屋崎浦は五人五日宛これを勤む〈付けたり、木屋御菜、御用次第、右の/浦よりこれを調う〉。
一木屋贄殿加用の事
    御雑色又五郎、源左衛門、助六。〈付けたり〉汁所御雑色小二郎、
    河東・河西散仕九郎右衛門・藤左衛門、両人これを勤む。
一下使 山田次郎左衛門尉・松井民部丞・木原新右衛門尉・薄弥右衛門尉・
    白木治部丞・山崎玄蕃允・嶺市允・堀右京進・
    安部平三郎・塩川市助・桜井新左衛門尉・神屋源左衛門尉・
    嶺内蔵允・御中間包左衛門・同助左衛門・同小三郎。
一定夫 六人。諸郷よりこれを勤む。政所調也。
一御領中人夫の事
 〈一手〉一上八村郷、田野郷、池田郷〈浦共〉、〈一手〉一遠賀庄〈蘆屋津共〉、〈一手〉一怒山郷、勝浦村、在自郷、
 〈一手〉一唐防〈津屋崎〉、宮地郷、〈一手〉一大島、泊、白浜、〈一手〉一内殿郷、本木郷、村山田郷、
 東郷、河西郷、神興村、〈一手〉一野坂庄、大穂村、曲村、嶺村、久原村、
 〈一手〉一赤馬庄、〔〈一手〉〕一山田村、須恵村、平等寺村、稲元村、河東郷、〈一手〉一山口郷、
 宮永村、稲光村、在木村、室木村、宮田郷、長江津留、以上十手の人夫数、一巡に四千余人、十一巡これを勤む。猶以て不足分の寺社給百、壱町別一人宛、両度所勤の分、弐千五百余人。右両分縮て四万六千五百余人。此外海上より材木運送人夫無尽により斯にこれを記さず。  
一御造営中木屋肴調の事  蘆屋津、波津浦〈大田浦これを加う〉。
 鐘崎〈給主浦共〉、湊、今空閑・勝浦浜、津屋崎、大島浦、二日に一度これを送る。
 付けたり、大島、上泊、白浜、搗布これを勤む。
一塩の事  勝浦村より御用次第これを勤む。
一鍛冶炭調の事  諸郷御百姓別五俵宛〈一度〉、弐俵宛〈一度〉。
  以上千四百余俵、猶以て足らず。買得分七百余俵。
一竹釘の事  諸寺家よりこれを勤むる所。
一鉄  五十束 〈但し、所々の誂物の鉄これを除く〉。
一御宝殿付道竹木の事  御領中見懸これを採用す〈付けたり、縄萱は/政所調なり〉。
一漆卅盃 〈万細工これを調う〉。 一朱六貫目余〈博多津/徳永又右衛門これを調う〉。 一膠三荷余 〈万細工これを調う〉。
一胡粉五荷 〈同人これを調う〉。 一桐油卅盃 〈同人これを調う〉。 一白灰十駄 〈白壁師これを調う〉。
一杉原廿束 〈白壁これを用う〉。 一油廿盃 〈同人これを調う〉。 一餅粉の用米三石〈同じくこれを用う/奉行これを調う〉。
一番匠作料員数の事  大工一日に三文目宛、作所小工壱文目宛、
          御領鍛冶・番匠、扶持・無足を謂はず、一日に米六升宛。
一硯水の事
 三殿様  鎮国寺 深田右衛門大夫 許斐左馬頭 吉田伯耆守 吉田河内守
      吉田次郎左衛門尉 吉田飛騨守 石松対馬守 小樋対馬守 高向中務卿
      豊福式部卿 社司官中 下官中 大工一引頭〈此外所々より送物/等歴々これ在り〉。
一米銀の事  唐料単に之を縮む。
   九千百参貫伍百拾文
一御段米の事  五升通、弐升四合通、壱升通、三ヶ度也。船別両度、丸木一艘に三文宛、壱文五分宛。但し大船は帆別見懸にこれを定む。此外諸浦大小の寄物、諸人寄進物等、諸職人、御懸役并に御闕所の地贓物以下これを加う。
   右置札件の如し。
 天正六年〈戊寅〉六月朔日  〈修理奉行〉豊福式部卿秀賀(花押)
               〈奉行〉  吉田飛騨守尚時(花押)
               〈奉行〉  石松対馬守尚宗(花押)
               〈奉行〉  小樋対馬守秀盛(花押)
               〈奉行〉  高向中務卿良秀(花押)
               〈社奉行〉 許斐安芸守氏鏡(花押)
               〈筆者〉  実相院益心(花押)
大意
紙質
寸法(縦) 28.2cm
寸法(横) 165.1cm
備考 「一御造営中木屋肴調之事」の原文「今空閑、勝浦浜」は「一浦巡人夫之事」の記述に従い「今空閑・勝浦浜」に改めた。
出典 『宗像大社文書』第4巻