宗像関連古文書・史料
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応安神事次第
(丁本)(2/2) |
和暦 |
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西暦 |
年 月 |
本文 |
一五月会、朔幣如常、浜宮ノ神殿ノ後〈ニ〉ハ赤〈キ〉色〈ノ〉縵〔幔〕幕ヲ引也、内陣也、昔浜宮ハ三間四面御社也、 ―三日〈巳時〉、号〈ス〉小五月会、政所御供、大御供前、小神供、庁座ノ饗酒肴〈アリ〉、真弓役人〈ヨリ〉皆酒肴〈アリ〉、先小人真弓、次下橋、太夫〈貫首二人、貫首六、頭〔預〕ノ禰宜〉、次驫馬二疋〈在自郷/宮地郷〉、次渡物、次篠田楽〈六三昧役、次メ〔又〕ハ子 馬、〈在所職事〉、次鏑流馬、次登橋、次競馬、次舞楽、次東舞、神官六人〈左三人/右三人〉、〈笛・拍子/舞師舞〉、 同日、貫首ノ役、手マトヒトテ、折烏帽子〈ニ〉カケシテ、ムカハキシテ、太刀ハキ、弓矢持、三〈ノ〉的〈ヲ〉立〈テ〉、一ノマトハ射テ、二ノマトハ弓以ツク、三〈ノ〉マトハ太刀〈ニ〉テ切也、是ハヤフサメヨリ先ニアルナリ、 一同四日、五・八月同祭也、田野浪折社、大御供三前、小神供六前、界物三前、御酒一瓶、御幣〈十二張〉、 〔参脱〕人数忌子・祝詞・執行・禰宜〈頭・職事・左座ノ一老〉、田野郷神人、御馬一疋、是ハ号波折之神人、 一同日、伊摩社、悉皆如浪折社、御馬一疋、吉田神人卜云、是ハ伊摩神馬也、 一同日、許斐御迎参事、祝詞者村山田郷散仕宿〈ニテ〉可出立、同五日〈卯時〉、黒尾ノ社〈ニ〉参、御輿自下津黒尾及入御、大御供三前、小神供三十六前、界物三前、御酒一瓶子、御幣〈十二〉、許斐神人・村山田神人・峯神人・麻町神人・本木神人・内殿神人、荷輿丁〈ハ〉四ケ郷村山田・本木・峯・内殿也、御馬三疋ハ本木・内殿・峯也、御鉾ハ許斐之預、円布〈ハ〉禰宜役、命婦本木〈ヨリ〉参、笛・大鼓ハ許斐〈ヨリ〉参、国侍四人参ル、祝詞ハ社務代官、執幣役ヲ勤スル、貴禰法者ハ祝詞代〈トシ〔テ脱〕〉祝詞申也、 一許斐行幸次第、一陳〔陣〕ハ大鉾、次円布、次神人、次御輿、次社務代、次国侍也、 一同日、中殿廟院者両御供、御内〈ヨリ〉一方ハ加用ノ沙汰、給人一方、大御供六前、小神供七十二前、界物六前、御酒二瓶、御幣廿四帳、祝詞申〈テ〉後、御上座マヒラスルナリ、 一御行之次第、先大鉾、次円布、次小鉾、次禰宜、次散仕〔在〕神人、次右座大夫貫首、次貫首、次権官、次神官、次御輿、次社務、次左座神官、次大夫貫首、次貫首、次権官、次国侍也、 一浜殿、御上座ヲ置テ後、祝詞ヲ申、浜神殿前〈ニ〉馬〈ヨリ〉下〈リ〉、祝詞、御輿ノ善縄取テ、社務ノ御屑〔肩〕カケ進テ、祝詞ハ御先〈ニ〉参ル、社ロノ御前ニテ善ノツホ〔ナ〕ヲ給ル、各神官ハ高座〈ヨリ〉五台ノ善ノカタカイ〔ク〕ル、五台御コシナラヘ申、烈讚〔列参〕スキテ、第一ヨリ次第〈ニ〉御アクラヲ入マイラスル也、御供者惣官〔宮〕師・政所也、次第如三日、 一御内酒肴、殿上〈ニ〉進ル、酒一瓶子、赤飯三前、粽六把、加用之沙汰也、御神事皆如三日、 一御還御、織幡宮ハハマ〔ヨ脱カ〕リ本宮へ御カヘリ、一・ニ社ハ惣社〈ニ〉御入、三ハ中殿ヨリ御入、許斐ハスク〈ニ〉還御。〓 一六月、朔幣如常、十五日同前、 一和儺之祓、政所御供如常、 儺 御輿三台、御前ノ前ノ浜川〈ニ〉御幸ナル、アコヤ禰宜作、上〈ニ〉ハ空色ノ絹〈ヲ〉引也、祓ノ後スカメ〔ヌ〕キトヲス、社務ハ七度、神官ハ三度也、歌曰、 ミナツキノナコシノハラエスル人ハ チトセノイノチナカシトソイフ 人形・輪ヲ作事ハ頭ノ禰宜役、諸人人形作、茅萱ハ頭禰宜出スナリ、殿上〈ニ〉稲穂九・麻九本、貫首ノ参ル、稲〈ハ〉御田〈ノ〉イ子也、庁・僧座在酒肴、御供役人沙汰也、 一七月、朔日・十五日、祭如例、 但十五日〈ハ〉惣社〈ニ〉祭礼、ウラホン経供養、政所御供同前、在舞楽〈アリ〉、饗〈ノ〉役人方〈ヨリ〉例酒〈アリ〉、御酒一瓶、二種肴〈アリ〉、郷ノスマフ十七番也、 一同日、宗楽寺行、官僧中、四十八巻阿蒲陀経読誦供養〈アリ〉、 一八月、朔幣如例、御内〈ニ〉放生会試楽〈アリ〉、有拍子合、 一放生会、同十三日、御内浮殿祭、号市渡、許斐御輿以下ハ皆五月会ノコトシ、御供御内〈ヨリ〉進〈ル〉、大御供三前、小神供三十六前、界物三前、御酒一瓶、御幣〈十二〉、伝供ノ後衣替〈アリ〉、次舞楽、次一物、次行司渡〈ス〉、次相撲十七番、諸郷〈ヨリ〉取、夜〈ニ〉入テ田楽、次延年、次猿楽、 一十四日〈巳時〉、御内皆参、御供同前、御直会ハ橋ノ上〈ニ〉テ、次廟院、御供一方〈ヨリ〉進〈ル〉、自御内餅三枚、御幸次第如五月五日、浜殿ノ酒肴ハ高キ棚ノ上〈ニ〉ライシ二前進、御肴五前々、御酒二瓶進、御上座ハタナノ上ニマイラスル、祝詞申〈夜ニ入テ風流、次田楽/次延年、次猿楽、〉 一惣社之儀式、大鳥居本ニテ一ノ善縄〈ヲ〉社務ノ左肩〈ニ〉カケテ進〈スル〉、御輿五台ヲ一面〈ニ〉并申、神官ノ高座〈ヨリ〉面々〈ニ〉善〈ノ〉ツナヲ給立テ持、官僧皆同、実讚畢テ、官僧先各神人烈〔列〕参、祝詞ハ御コシノサキ、次社務、太〔大〕夫貫首二人先立ル、御上座ハ拝殿ノ樋ノ下〈ニ〉テ進ル、上座マイリタル、御コシハ東ノ経房ノ前ノコトカキテ、西ノキヤウハウノ前〈ニ〉スヘナラヘ申テ後、休殿〈ニ〉ハ入申也、御アクラハノツトカ入申ヲ、忌子トリツキテ社務〈ニ〉進スル、御入ノアクラハ高向殿上役、御還ノアクラハ吉田殿役、長日ノ御供進〈テ〉後ニ還御也、此時ハ忌子祝詞ス、不〓、上座参〈テ〉後伝供也、 一十五日〈辰時〉、有舞、蝶鳥卜云、同船挍、許斐御船〈ノ〉勝〈卜〉殿上社人中注進、立行事申也、神官ノ中ヨリ目出侯卜答申、其後〈ニ〉王舞〈アリ〉、笛ハ社猿楽ノ役、次船ノ御供、次行烈〔列〕、次〈ニ〉伝供、惣宮師・御供宮師中島ヨリ進ル、次中ノ舞台ノ法用、次十二番ノ舞、次行司、次〈ニ〉一物渡ス、次相撲十七番、次還御如五月、 一九月、朔日・十五日、如例、九日、御供両方、政所・御供宮師、御供数如常、殿上自御内酒肴、一瓶子、餅九枚、竹折敷二種肴、政所社、餅五枚、酒一瓶、自政所、餅三枚、酒一瓶、舞楽、次鏑流馬、次相撲、 一同十日、織幡宮、摺心経三十巻奉納供養、同仁王経転読、勧世音経・般若心経・尊勝陀羅尼誦、導師学頭・切手・堂逹・法蔵四人也、是〈ハ〉神事〈ヨリ〉先也、祓川テ榊ヲ立ル也、禰宜役、伝供、舞楽、相撲、鏑流馬、御コ〔巫女〕・ホツサカクラ、アツママイアリ、 一十一日、的原社、御経供養十日〈ノ〉如シ、儀式同前、 一秋大祭、如春、 一十月、一日・十五日、如例、 一十月、一日・十五日、如例、十六日、神楽、如二月也、 一十二月、一日・十五日、如例、同朔、大島ノ神楽、御供〈ニ〉ハ遅〈ク〉進スル、次一宮〈ニ〉参ル、次拝殿〈ニ〉参テ御弊、祝詞申、次トシ〔レ〕ノ直会、次庁座奠リ、次二日、庁座、次五位社、次大宮、次又庁座、次三日、伝供、御神楽、次庁座、次河上社、次大宮社、次庁座、次掛魚、次ナレコ、 一十六日、御船祭、大御供三前、小神供六前、界物三前、御酒一瓶、魚二喉、御幣〈十二〉 一十七日、新嘗会奠、 第二宮、大御供三前、小神供六前、界物三前、御酒一瓶、御幣〈十二〉、祝詞〈ハ〉大床ニテ申、東屋、三間、禰宜役、ノツトハ庭〈ニ〉立テ忌子申也、 一十八日〈巳時〉、稲庭上祭、御内皆参、祓〈アリ〉、笛・拍子、舞師大門ニテ舞フ、次稲庭上社、大御供三前、 小神供六前、界物三前、御酒一瓶、カケノ魚二、御幣〈十二張〉、法用、心経供養、饗膳如孔大寺、宮猿楽三番〈アリ〉、ウケノウタアリ、音頭忌子、神官同音、榊舞アリ、歌云、 祈コシハ神ハマツリツアスヨリハ ミツノ柏ノヒロキアソヒセント、三返、 一吹浦社奠、法用、心経供養〈アリ〉、大御供三前、小神供六前、界物三前、餅三枚、御酒一瓶、御幣〈十二張〉、ウケノ歌、酒肴、重器アリ、 一湊社祭、心経供養〈アリ〉、御供同前、饗膳〈アリ〉、ウケ〔ノ脱〕歌〈アリ〉、 一中殿祭、大御供一前〈ニ〉二盃、白粢・黒粢、三前内、小神供六前、御酒一瓶、御幣〈十二張〉、 一政所幡殿、御供中殿ニ同前、榊ハツセ山ノ木也、水ハ滝ノ水、頭禰宜役〈ニ〉汲也、歌ノ橋ニテ忌子秘蜜〔密〕歌ヲ詠ス、 一十九日、与里岳社、大御供三前、小神供六前、界物三前、御酒一瓶、魚二喉、御幣〈十二〉、庁座饗膳〈アリ〉、 一森之社、心経同前、御供同前、庁座酒肴〈アリ〉、重器〈アリ〉、 一織幡宮、心経同前、祓〈アリ〉、御供ハ置付、大御供三前、小神供三十六前、界物三前、御酒一瓶、御幣〈十二張〉、庁座、ウケノ歌、榊舞、カツライゝノカミ禰宜役也、倍〔陪〕従御神楽、早韓神、大梶取ハ忌子役、申事〈ニ〉云ク、土佐国ノマ子ナカト申者、梶取ハ七日カ日カ日ヲサウシ侯、御宗形ノ忌子ノ禰宜千連ハ三チカ日ヲサウシ候、是ヨリ東ノ方ヲ見候ヘハ、与里タケノ雲〈ノ〉カゝリヨク候ナ、小梶取云、是ヨリ南ノ方ヲ見候ヘハ、許斐ノタケノ雲〈ノ〉カゝリ吉候ナ、小梶取云、是ヨリ西ノ方ヲ見候ヘハ、大島ノタケノ雲ノカゝリ吉侯ナ、小梶取ハ執行役、其コトハニ曰ク、吉候ナト計、大梶取ハ立用七斗、小梶取ハ三斗五升、 一許斐的原、廿日〈巳時〉、大御供三前、小神供三十七前、界物三前、御酒一瓶子、御幣〈十二〉、心経同前、庁座、ウケウタ、倍〔陪〕従ノ御神楽、早カラカミ、カツライノカミ、紙ハ御幣紙ハ四枚、禰宜ノ役也、舞ノ榊モ禰宜役也、 一宮地岳、心経供養同前、大御供五前、小神供三十六前、界物五前、御酒二瓶、馬草稲二把、粢五枚、御幣〈十二ツゝ二張也〉、祝詞ノ後、ウケノ歌アリ、 一在自粥、社ノ前〈ニ〉テカユマイル、心経供養同前、 一縫殿社、大御供三前、小神供六前、界物三前、御酒一瓶、餅三枚アヲツミ、粢三枚、魚二喉、馬草稲二把、御幣〈十二〉、庁座、酒肴、ウケノ歌アリ、 一廿五日〈巳時〉、八女祭、上高宮、御供ニハ餅三枚、御酒一瓶、御幣十二、カツラユイ四枚ヲロス、貴禰法者・八女行烈〔列〕三返、笛・拍子アリ、キ子ノ曰ク、 ヤヲトメハタカヤヲトメソアメニマス アメワカミコノ神ノヤヲトメ、三返、次ヘイシユウ、ハヤカラカミ、サキマヒアリ、 〔一脱カ〕下高宮、灯油ハ御供役人〈ヨリ〉進、御供〈ニ〉ハ餅五枚、御酒一瓶、御幣六帳ツゝ両所、庁座ニ酒肴〈アリ〉、重器〈アリ〉、カツラユイ四枚下ス、八女、倍〔陪〕従ノ次第同前、 一第一宮、大御供三前、小神供六前、界物三前、御酒一瓶、御弊〈十二〉、カツラユイ四枚下ス、御供事、クホテ三ク、御庁酒肴アリ、高ライシアリ、八女、倍〔陪〕従ノ次第同前、神官クホテ四月〈ニ〉同シ、 一政所九間社、是ハ大〔内〕裏宮〔官〕庁也、御供七十五前、灯油九盃、御幣七十五本、祝詞、御幣〈十二張〉、続松ハ貫首役也、官僧法用、登高座後、祝詞ヲハ申也、庁座事、政所之台飯・酒肴アリ、忌子方ヨリ酒肴アリ、大島ノ五倍〔位〕ノ酒肴アリ、朸折〈リ〉アリ、朸ヲルハ一甲斐与大島ノ弁済使ノ役也、大島神人六人参テ、歌ヲウタフナリ、是六将軍卜云、異国征罰ノ時神也、六人者◦住吉明神◦鹿嶋明神◦諏和〔訪〕明神◦玉垂明神◦志賀明神◦織幡明神是也、島ノ神楽ノコトシ、神官ウケノ歌、如岳祭、 一晦日、西神殿〈戌時〉、先庁、台飯・酒肴、政所ニテ神官ウケノ歌アリ、禰宜止々申シアリ、三人シテ三返ツゝ已上九度申也、次神殿内陣御供ヲ備テ後、祝詞申テ後、執行申スコトアリ、其詞〈ニ〉云ク、宮政所惟当年弘安六年十二月晦日、王城ニハ名ヲ上、鎮西ニハ徳ヲ展ケ、誠ヤコトナクマシマス、宮司殿ノ籠給ヒマシマスヘキ西ノ神殿ニ、イカナル人ナレハコモリ給フソト云時〈ニ〉、忌子ノ曰ク、宗形忌子禰宜千連ハ、宮司殿ノ御代官ニコモリテ候卜云、又執行曰ク、サテハ尤コモリタマフヘシ、明年ノコヨイニイタルマテ、コモリタモフヘシ、其後社務ノ御判シテ、御戸ヲゝサメ給〈フ〉ナリ、 (黒印) 于〓享禄二年〈己丑〉二月日 秘蔵御本申請書写畢、 (別筆)「 慶応二〈丙寅〉迄、 吾祖従此写、◦所以三百四十歳経行也、是以考焉、宗像六万石余之大侯、世盛之年中行事、而於玆者我家之秘書也、」 祝詞護致之 |
読み下し |
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大意 |
(原本【概要】)正月一日に行われる「今山妙見大菩薩御神事」以下の諸行事を始めとして、十二月晦日の「晦日西神殿事」にいたる諸々の年中行事の次第、およびその費用・料物を誰が負担するかなどの事柄を書き連ねた目録。 |
紙質 |
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寸法(縦) |
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寸法(横) |
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備考 |
長大なためデータを二つに分けて表示。
一つ目の〓は「示」偏に「舌」。
二つ目の〓は「糸」偏に「寄」。
三つ目の〓は「日」偏に「之」。
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出典 |
『宗像大社文書』第3巻 |
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