宗像関連古文書・史料
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| 文書名 |
応安神事次第
（乙本）（1／2） |
| 和暦 |
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| 西暦 |
年 月 |
| 本文 |
宗像宮毎月大小御神事次第注文
一正月一日寅時、三所宮長日七千六百二十〔 〕〔度也、潤月加之〕
今山妙見大菩薩御神〔 〕〔事、御供者自御内〕
御勤、加用沙□〔汰〕〔 〕〔也、祝詞者後夜導師〕
役也、
一同日寅時、
第三宮、大□〔御〕〔 〕〔供三前、小神供三十六前、界物三〕
〔 〕〔前、御幣十二、御内〈ヨリ〉御崎上之禰宜〕
□〔持カ〕〔 〕〔参、御鏡三枚、御酒一瓶子〕
祝詞者□□〔申也〕、
但、小神供餅三内二〔 〕〔ツ取テ、幣紙二ニ切〕
褁テ庁・僧座人数参合□□〔下之〕、
其外座々〈ニハ〉一ツゝ下之、
一同日〈巳時、〉
御内大御門事、馬上神官皆参、年男三人〈執行／忌子／右座一〉、各巻数持参〈ス〉、御庁前三人立並〈テ〉忌子禰宜有申事、
次中臣祓事、上御前〈ニ〉左合〈ノ〉カウヨリ二ツ、人形一御前備進〈ス〉、御手クラ八本カケハシ〈ニ〉立〈テ〉幣〈ヲ〉以〈テ〉祓〈ノ〉祭文〈ヲ〉申、件ノ幣〈ヲ〉貫首給〈テ〉、□〔一〕廻シテ此幣ヲ□〔進〕〔 〕〔上、即社務ヲ〕奉拝也、次惣社皆〔 〕〔参、先御幣〕十二張禰宜持参ス、次神馬二疋、次貫首十人、次神官、皆馬上也、
一同日、第一宮之事、
自場庭末橋ノ本、忌子禰宜・祝詞禰宜御先〈ニ〉立、楽人即有乱声、
一内陣之御戸開事、左ハ男戸、祝詞之禰宜、
〈〇この間一紙分脱落あり〉
界物二前、御酒一瓶子、御幣十二帳、御鏡二枚、祝詞者障子内〈ニテ〉申也、
一同日、第二宮、大御供三前、小神供六前、界物三前、御酒一瓶子、御幣十二、御鏡三枚、土瓶者禰宜進之、
一東屋事、三間、禰宜役也、祝詞者忌子申也、
□〔一カ〕同日、第三宮、大御供一前、小神供四前、界物一前、御酒一瓶子、御鏡一枚、御幣十二帳、土瓶同前、祝詞ハ中殿上〈ニテ〉申也、
〈志賀大明神也〉
一同日、正三位、大御供三前、小神供六前、界物三前、御幣十二帳、
一同日、廟院、祝詞ハ心中〈ニ〉申也、円座ハ中殿ノ中旬預ノ沙汰也、
一同日、政所祭礼、大御供三前、小神供六前、門守一前、御酒、土瓶、御幣十二帳、祝詞者大床〈ニテ申也〉、
一庁座鶶〔鷚〕歌事、音頭ハ忌子始之、神官同音歌之、
ウケゝゝ〈三反〉、同音ウケゝゝ〈三反〉、アタラシキ アレトシノ アレハシメノヤ ヒハリメハ アレニハニイル アレソラニアソフ アレアタラシキ
同前〈ニ〉三返、第二句〈ヨリ〉榊舞也、
〔一〕年徳申事、禰宜三人〈一人ハ杉ノ枝ヲ持ツ、一人ハ祝ヒ申、一人ハ箕〈ニ〉餅〈ヲ〉入持〈ツ〉〉、
新〈キ〉年ノ始〈ニ〉大宮政所〈ニ〉蝶〈ノ〉群居、鴈〔雁〕ノ烈〔列〕居〈イ〉、王城〈ニハ〉名〈ヲ〉上〈ケ〉、鎮西〈ニハ〉徳〈ヲ〉展、弥々増々定入〈ノ〉宮司殿〈ト〉コソ仰キマヒラせ候へ、
一同日、御内田打事、禰宜三十人・権官十人、
◦（官〔貫〕首十人）池ノ縁〈ニ〉立並〈ヒテ〉、白杖〈ヲツキテ〉歌〈フ〉、次苗代〈ハ〉国侍四人〈ノ〉役也、
一人ハ鍬〈ヲモツテ〉畦〈ヲ〉塗、一人〈ハ〉牛〈ヲ〉牽〈ク〉、一人〈ハ〉マクワヲ以〈テ〉カク、一人〈ハ〉種〈ヲ〉蒔、餉事、一人〈ハ〉飯櫃、一人〈ハ〉菜ノロンシ、一人〈ハ〉汁ノロンシ、一前盛〈テ〉御庁座ノ一間〈ニ〉備進〈ス〉之、次神官五人、白杖〈ヲ〉推〈テ〉庭〈ニ〉出向也、
一同七日〈午時〉、白馬節会、庁座〈ハ〉政所也、御供〈ハ〉力飯、宮々進、政所役也、御内神馬二疋、郷〈ヨリ〉参〈ル〉、馬七疋、貫首六人、自大宮始〈テ〉上・下高宮・第二・第三・政所〈マテ〉引也、
一同八日〈巳時〉、御加治屋、大御供三前、小神供六前、界物三前、石ノ上〈ニ〉二前ツゝ、酒一瓶子、御幣十二帳、
〈弓箙〈ニテ〉〉
一印鎰御箱者、自御内禰宜三人、貫首二人持参、祝詞申後、御幣二帳〈ニ〉朱印〈ヲ〉忌子禰宜押〈テ〉、禰宜〈ニ〉持〈せ〉、政所〈ノ〉社〈ニ〉進上之、
一御占事、執行占品〈ヲ〉書写〈ス〉、朱印〈ヲ〉押〈テ〉執行読之、忌子禰宜者御鉾〈ヲ〉持〈テ〉、懐ノ内〈ニテ〉印ル、占部禰宜
ハ筭〔算〕〈ヲ〉置〈ク〉、重〔丁〕〈ナル〉時ハ吉卜答、半ハ凶也、
一御占品事、宮政所云、
惟当年建保三年〈乙亥〉正月八日、宗像三所大菩薩御占事
大歳可有豊饒如何
蚕養可有如意如何
忌子禰宜宗形千継〔時〕令納受如何
甲斐近元令納受如何
一正月世 可有平安如何
二月世 可有平安如何
三月世 可有平安如何
夘月々 可有平安如何 可有水、如何
五月々 可有平安如何 可有 ―
六月々 ― ― ー ―
七月々 ― ― ―風―
八月々 ― ―風―
九月々 ― ―風―
十月々 ― ―
十一月々 ― ―
十二月々 ― ―
右御占注進如件 対馬占部貞光
壱岐占部成末
一御地子絹事、神官三人、忌子禰宜・執行・右座一、各絹代〈ハ〉紙五帖、代立用米三斗、紙代〈ハ〉印鎰御箱〈ニ〉入也、彼立用米ノ返抄曰、宮政所、御地子絹一疋代、米三斗某、
年号月日シルス、
大宮司宗像朝臣 在御判
〈〇この間三紙分脱落あり〉
御供数惣社同、祝詞〈ハ〉大床〈テ〔ニカ〕〉〈テ〉申〈ス〉、タウカハ神殿ヲ遶〈ル〉、
倍〔陪〕従ノ歌アリ、笛、和琴、庭火歌〈ハ〉舞師役、神官六人〈左三人／右三人〉、早カラカミ、榊舞アリ、次神楽、ミコ・ホサノ役、自庁座舞、的作ルハ祝役、榑〈ハ〉小開浦〈ヨリ〉出〈ス〉、□〔懸〕事〈ハ〉当社ノ預役、射手〈ハ〉神官〈卜〉侍□〔也〕、
〈笛・□〔大〕鼓ハ自許斐参、一ノ命婦、二ノ命婦、三ノ命婦、シキハン命婦、許斐命婦、〉
一十七日〈巳時〉、許斐踏歌、下津六御前、七郎殿、踏歌〈ハ〉□〔庭〕〈ニテ〉涌、
茅葉破 六御前ノ夕〔木綿〕欅キ 掛テノノ□〔チ〕〔後〕ハタノシカリケリ
一権現、踏歌〈ハ〉拝殿遶、大御供三前、小神供六前、□□〔界物〕三前、歌同前、
一三御前、皆同〈シ〉、
千葉破 許斐権現ノユウタスキ 系ノ後ハ楽シカリケリ
一織幡社、同前、
一王子御前、御供ハ如二櫂現、祝詞自地申、踏歌同、倍〔陪〕従、御神楽次第、金崎社同前
一高津七郎殿、皆同前、踏歌在之、
一六御前、悉皆同前、
一弓庭〈ハ〉神主ノ役也、酒タチハラ一、ライシ一本、的射手、神官三人、侍三人、三度、
右、正月中御神事次第、大略如此、
―二月一日〈巳時〉、朔幣如例、
一孔大寺会、祓河〈ニテ〉祓在之、榊〈ヲ〉二本立、禰宜役也、同坂〈ニモ〉榊〈ヲ〉立、同人役也、〈榊〈ハ〉何〈モ〉津瀬山榊也、〉
〈六所棚ノ篠同◦金崎ノ寺ノ役也／◦四ヶ日間御幣ノ串竹〉
一権現之事、先観請之神名帳、次伝供、次庁座、僧座、庄司役、
〈辰時〉
二日、先朝饗、次伝供御供、次神楽、次千手堂行、次拝殿田殖、貫首役、同寅時楽、次陵王・ナツソリ、
〈辰時〉
三日、先朝饗、次行烈〔列〕、次一品経供養、次伝供、次舞楽、次柿木懺法、次神宮寺ノ行、次寅楽如二日後、四日、先伝供、次明年頭番付読上、次送神名帳、篠〈ニテ〉櫁〔掻〕、四方棚者六所也、櫁〔掻〕事ハ禰宜ノ役、御幣紙ヲ二寸程四角切、シノミハサミテタナ〈ノ〉中立ル也、小土器〈ニ〉洗米モル、一タナ〈ニ〉三十六ツゝ也、御米ハ政所ヨリ頭禰宜請也、京斗一斗ト〈云々〉、
四日ノ間、毎日モリカユル也、已上三千二百六盃也、日本国諸神之御供也、御ケタヒナキ様〈ニ〉神祭アルヘキ也、
〈庄司勤事、御前六本、ライシ一本、上二十膳、次二十五膳、御酒大瓶二、□立器、御酒五コン、猿楽庭ニ、大瓶一、／一御内、内御台酒斗、飯櫃一、御酒垂〔腹〕股一、御汁二菜五、唐菓一鉢、／一猿楽録事、／一日・二日・三日同、御内ヨリ絹七疋、神官布一タン、権官雑紙五帖ツゝ、官僧紙五帖ツゝ、座主・学頭御布一タンツゝ、□〔貫カ〕首左右ノ一布一タン、一日ニ八百盃〉
―二季彼岸祭、惣社在之、先伝供、次拝殿懺法、第一宮経衆十二人読也、九条錫杖、同尊勝陀羅尼也、
一十五日、祭礼如例、
一同十六日、御神楽次第、
一第三宮、酉時ニ皆参、早カラカミヲウタウ、先人長、次舞、次内侍舞也、
一第二宮、御前庭〈ニテ〉ウタフ、皆同前、
一第一宮、先織幡宮同前、大宮、先伝供、次神拝、次人長◦（次秘事、次庭火、次笛、次ヒチリキ、次琴、次寄合、次本歌、次末歌）次阿知◦（一行烈〔列〕之間ハ、星〔皇〕ノウタヲウタウ也、一楼門〈ニ〉歌アリ、）女（作□〔法カ〕）〈本末〉、一次榊〈本末〉、一次幣〈本末〉、杖〈本末〉、
次篠〈本末〉、次弓〈本末〉、次劔〈本末〉、次鉾〈本末〉、次杓〈本末〉、次〓〔䓪〕〈本末〉、九数取物如此、
次延韓紙〈本末〉、次早韓神、次志都野〈本末〉、次千歳〈本末〉、次早歌〈本末〉、次内侍舞、次万歳楽、次弓立、
次宮人、次行烈〔列〕、次徳銭〈本末〉、次由不作〈本末〉、次朝倉〈本末〉、次其駒、次第ノ歌大略如此、
一◦春大祭、◦（政所社〈ニ〉大御供三前、小神供六前、界物三前、御酒土瓶、御幣六帳、庁座〈ニ〉大飯・御酒〈アリ〉、）先外祭、◦政所有台飯、小勝浦七人、大島〈ノ〉神人七人寄合人形作〈ル〉、庭〈ニテ〉中臣祓〈アリ〉、次御御前せン前浜〈ニテ〉有祓〈アリ〉、禰宜魚〈ヲ〉鉤〈ル〉、次下高宮〈ニ〉土瓶・染紙幣二帳、次第二宮・地主・所土・廟院・◦（田打〈アリ〉）御鎰持（〈ニハ〉御幣十二）、同御牧殿馬立〈ハ〉執行ノ役、馬草稲三把〈ハ〉政所役、馬〈ノ〉毛◦（答）申事ハ国御厩ノ申也、次又第二宮〈ニ〉土瓶・染紙御幣在之、濃〔農〕業祭也、〈庁座〈ニ〉酒肴アリ〉
〈クワヒラ三、忌子ノ沙汰、打事ハ一禰宜・二ノ禰宜・三ノ禰宜ノ役也、〉
一三月一日、如例、同三日〈巳時〉、第一宮、御供者、政所御供、同御供宮師、大御供三前、小神供三十六前、界物三前、御酒一瓶子、御幣十二帳、政所御供同前、官僧・宮僧、法用・四ケ法用・行烈〔列〕、舞楽〈アリ〉、庁・僧座〈ニハ〉自御供役人有酒肴、
〈同三日御内ノ酒肴事、餅九枚、御酒一瓶、肴二種、〉
一四月朔日、如例、御祭礼、吉日良辰〈ヲ〉撰〈テ〉祭也、
〈巳時〉同日、湊ノ木皮ノ社者、禰宜所作也、大御供三前、小神供六前、界物三前、御幣〈十二〉、御酒一瓶、庁座、政所大飯、御酒一瓶、貝・〓〔鮑カ〕湊浦ノ役、魚小開浦役、冨葛小勝浦ノ役、
〈兼日御酒ノ試酒大瓶一、飯一櫃、御肴ハ魚・魢〔鮑カ〕・蛸／敷物ハ上八村郷役〉
一同日、年毛社、大御供三前、小神供三十六前、界物三前、御酒一瓶、御幣十二、庁座〈ニハ〉、上ノ御前〈ニハ〉六本、二本、饗三十前、次饗二十五前、御酒大瓶二、魚・蚫・蛸・穂垂小勝浦役、掛ノ魚ハ浦々ノ役
〈懸魚ハ湊浦・今久家、勝浦浜・渡・津屋崎・同久家〉
一同日、政所祭、田神ハ禰宜役、楽人有笛・柏〔拍〕子、田植ハ社務・神官、苗ハ頭禰宜役、忌子ハ歌頭曰、
トミ草ノ花々々々、エアイコゝゝゝ〈三返〉、
庁座〈ニテ〉忌子卜執行申事アリ、歌ノ岸峯ノウタ、歌ノ峯道行〈ニ〉、馬上ニテウタフナリ、秘蜜〔密〕〈アリ〉、
一同十八日〈巳時〉、臨時祭、先御内皆参、有祓、在笛・拍子、皆馬上、神馬二疋、御幣御崎三所分、皆綃〔絹〕
一疋取付ル、禰宜三人〈モツ〉、次神馬〈二疋〉、
〈次倍〔陪〕従六人、次右座神官、次社務、次左座神官、鳥居前ヨリ忌子・祝詞□□〔崎ニ〈カ〉〕〉
一第三宮、大御供三前、小神供三十六前、界物三前、御酒一瓶、御幣十二張、御前ノ池橋上〈ニテ〉御神楽、榊舞在之、
一第二宮、御供同前、自御供方座〈ニ〉有酒肴之、神楽同前、
一第一宮、御供同前、自場庭末烈〔列〕参、御先〈ニハ〉忌子禰宜・祝詞禰宜参、庁・僧座、有酒肴、供御役人之沙汰也、
一同晦日、神祭、惣社、大御供三前、小神役〔供〕六前、界物三前、御酒一瓶、御幣十二、合掌三共、頭禰宜役、有忌子・祝詞、合掌トハ饗膳也、飯符升ノ三升、盛菜〈ハ〉八種、精進四、魚四也、是ヲ柏ノ葉ノ器物〈ニ〉褁〈テ〉下〈ス〉也、 |
| 読み下し |
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| 大意 |
（原本【概要】）正月一日に行われる「今山妙見大菩薩御神事」以下の諸行事を始めとして、十二月晦日の「晦日西神殿事」にいたる諸々の年中行事の次第、およびその費用・料物を誰が負担するかなどの事柄を書き連ねた目録。 |
| 紙質 |
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| 寸法（縦） |
cm |
| 寸法（横） |
cm |
| 備考 |
長大なためデータを二つに分けて表示。
〓は「草」冠に「昜」。 |
| 出典 |
『宗像大社文書』第３巻 |
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