世界遺産「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群デジタルアーカイブス

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宗像関連古文書・史料

  • 宗像大宮司氏正書案/
文書群名 八巻文書第8巻
文書番号 188
文書名 宗像大宮司氏正書案
和暦 享徳三年十一月日
西暦 1454年 11月
本文 (端裏書)
「渡高麗
  初書安〔案〕」
 日本国筑前州宗像郡知守宗像朝臣氏正 誠恐誠惶頓首、
 謹製短書、以奉
朝鮮国礼曹判書閣下。  臣伏承、
皇帝陛下尊候動止万福百順、茲承聞、小邑伯父宗像朝臣氏経、連年音書奉呈上
陛下而蒙
皇恩之潤色者久矣。小邑董厥令節、而今氏正初以手札而騁于
陛下、不図吾国因年々之兵乱而鄙語欲奉奏
陛下。于時無得暇日、乃今陋邦静謐之時節、且喜遣一介之専人而仰荷
陛下之徳化者也。玆雖賎薄之至、献陋邦之土宜。〈別紙記之。〉伏乞、聞達啓納、幸甚々々。即辰仲冬、々日甚寒。為国仰之、不宜〔宣〕。
  享徳三年〈甲戌〉仲冬日
 日本国筑前州宗像郡知守宗像朝臣氏正 誠恐誠惶頓首。
読み下し (端裏書)
「高麗に渡す
  初めての書案」
 日本国筑前州宗像郡知守宗像朝臣氏正 誠恐誠惶頓首。
 謹んで短書を製して、以て
朝鮮国礼曹判書の閣下に奉る。  臣伏して承るに、
皇帝陛下尊候動止万福百順、茲に承り聞くに、小邑の伯父宗像朝臣氏経、連年音書を
陛下に呈上し奉りて
皇恩の潤色を蒙る者久し。小邑厥令節を董して、今氏正初めて手札を以て
陛下に騁し、図らずも吾国年々の兵乱に因つて鄙語
陛下に奏し奉らんと欲す。時に暇日を得ることなく、乃ち今陋邦静謐の時節、且喜すらくは一介の専人を遣して仰ぎて
陛下の徳化を荷はんものなり。玆に賎薄の至りと雖も、陋邦の土宜を献ぜん。〈別紙にこれを記す。〉伏して乞ふ、聞達啓納、幸甚々々。即ち辰に仲冬、冬日甚だ寒し。国のためにこれを仰がん。不宣。
  享徳三年〈甲戌〉仲冬日
 日本国筑前州宗像郡知守宗像朝臣氏正 誠恐誠惶頓首。
大意 宗像氏正、朝鮮国王端宗に書を進め、通交を求める。なお氏正は、翌年にも朝鮮と通交している(『世祖実録』元年七月甲戌条)。
紙質 楮紙
寸法(縦) 29.2cm
寸法(横) 42.6cm
備考 原文書には返り点などが施されている。
出典 『宗像大社文書』第1巻